元に戻れば

 ゴールデンウィークが終わり、少しずつ体を仕事モードに戻している最中である。この連休久しぶりに色々なところに足を運んだ。件の感染症も、落ち着いているのか私たちが慣れてきているのか、生活の一部に刷り込まれていったのか、マスクはつけているがそれ以外は2年前と同じ感じに思える。人通りの多さも、人と人との距離も、これまでの世界と同じになっていることを本来は喜ぶべきなのだと思うけれど、制度や習慣だけが感染症のある世界のまま変わることができなくて、そのちぐはぐさに少しだけ、苦いものが胃に溜まっているような感覚を覚える。自分の頭で考えて、けれど一時の感情に流されないで、ちゃんと行動しなければ。

 世界が元に戻るように見えた時、それは元に戻ったのではなくて、元の世界から進歩をしたはずなのだから、置いていかれないように。